9月3日、令和2年度の第1回目となるFDフォーラムを開催し、「オンライン授業の設計を考える -リスク社会における学びを育む-」と題して、関西大学教育推進部の岩崎千晶准教授にご講演いただきました。本講演は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点からWeb会議システム「Zoom」で実施し、教職員122人が参加しました。
岩崎先生から、関西大学教育開発支援センターでの取り組みの紹介を受けた後、コロナ禍という状況下で、多くの大学が従来とは異なる形での遠隔教育の実施を余儀なくされる中、今後、遠隔授業をどのように展開していくべきかについてお話いただきました。
オンライン授業においては、特に①学習目標②評価方法③教育方法の3点を確認しつつ授業を設計することが重要であるとの見解を示され、具体的には、①授業目標を従来の全15回で考えるのではなく、1回の授業ごとで目標達成できる方法を考える(スモールステップ)②小テストやレポート、プレゼンなどで、学生が目標を達成できているのかを判断できる評価方法を選び、学生がどう評価されるのかを理解できる方法を記載する③授業目標を達成するためによりよい教育方法を選ぶ(映像視聴、資料提示など)など、これまでの前期のオンライン授業の実践を通じて得られた知見をもとに、遠隔授業を円滑に運営するためのノウハウやポイントを解説してくださいました。
関西大学では前期のオンライン授業アンケートに基づき、同一科目間の教員で課題のばらつきが出ないよう情報を共有するようにしたり、学生の不満の多かった「資料配信のみ」の授業は後期からは取りやめる方針としたなど、具体的な施策についてもご紹介いただき、本学の教職員にとっても非常に示唆に富むフォーラムとなりました。
本学では後期からの授業を対面授業と遠隔授業を併用した「ハイブリッド型」で実施することを決定しています。対面授業と遜色のない学修成果を遠隔授業でも果たせるよう、これまで以上にFD活動を推進し、質の高い教育を学生に提供するように努めていきます。