6月19日、法学部法学科の末吉洋文教授(専門:平和学)とゼミ生が、近鉄奈良駅周辺にある身近な戦争遺跡を巡るフィールドワークを実施しました。コロナ禍で現地を訪ねる平和学習の機会が減っている中、身近な場所を同学習に活用しようと、学生が主体となって企画。末吉教授とゼミ生、教育学部こども教育学科の植松講師に国際高校、大和広陵高校の教員と生徒ら約30人が参加しました。
合同学習は全3回の企画で、1回目は香芝市の屯鶴峯(どんづるぼう)を見学、2回目となるこの回は近鉄奈良駅周辺の観光地にある戦争遺跡をテーマに、防空壕が残る西方寺(奈良市油井町)や奈良ホテル(奈良市高畑町)、奈良公園を巡りました。
奈良ホテルでは戦時中、宿泊客に空襲警報発令を知らせた銅鑼(どら)を見学し、奈良公園では、戦時中に松根油採取のために傷つけられた松の木について紹介。各見学スポットで学生が戦争遺跡の解説を行い、高校生にクイズを出題して戦争遺跡や戦寺中のできごとに関する知識を深めてもらいました。
参加した高校生からは「奈良に戦争の跡地があるイメージはなかった。まだまだ知識不足だが、戦争の記憶を後世に伝えていきたい」、「身近な戦争遺跡に触れ、(戦争を)絶対に繰り返してはいけないとの思いが強くなった」などの感想が寄せられるなど、今回のフィールドワークは戦争について深く考えるきっかけとなったようです。案内役を務めた末吉ゼミの学生にとっても課題発見力や主体的行動力を身につける有意義な機会となりました。