11月19日(金)、法学部の特殊講義「警察組織と警察実務」において、奈良県警察の大橋一夫県警本部長による講義が行われました。同特殊講義は、講義のうち7回を奈良県警察の各部署の現職警察官にご担当いただくという「実学の帝塚山大学」ならではの実践的な内容が特徴。警察官をめざす法学部の学生が、警察組織の実際の活動や最新の取り組みについて理解を深めることを目的としています。
大橋本部長は、「安全・安心の確保のため警察が果たす役割」と題した講義で、奈良県警察の取組みとして、情報技術の進展により複雑化しているサイバー犯罪の脅威について触れられ、被害を発生させないための取組みを詳しく解説されました。また、「安全・安心な奈良の実現」のためには、警察官の職務執行力を強化すると同時に、地域住民の協力を仰ぐ仕組みも重要であり、特に、防犯や子どもたちの見守り活動などにかかわる若者のボランティアを増やしていきたいとの認識を示されました。
その後の質疑応答で、学生からの「警察官として変わっていくべきこと、変わらぬものとは何か」という質問に対し、「人権やプライバシーなどへの考え方が変わる今、県民の求めに応えるためには常に情報を刷新し自分自身も変化していかなくてはならない」とされ、そのうえで、警察官として変わらず持ち続けるべきは、「悪い奴は許さず、困っている弱い人を助ける」という「魂」だと考えていると話されました。
学生1人ひとりの質問に、時間を延長してまで丁寧にお答えいただき、最後は警察官を目指す受講生に対してのエールで講義を締めくくられました。