10月18日(火)、本学心理学部ならびに大学院心理科学研究科において、一般社団法人福島県精神保健福祉協会 ふくしま心のケアセンターから講師をお招きし、特別講義が行われました。
2時限目に行われた心理科学研究科での特別講義では、ふくしま心のケアセンター基幹センター業務推進課主任専門員で臨床心理士の山下 和彦様から『心理士による被災者への「心のケア」-ふくしま心のケアセンターの実践から-』というテーマで、大学院生約30名を対象にご講演をいただきました。
2011年3月11日の東日本大震災発生による環境の変化が、人々にどのような影響を与えたのか、またその中で臨床心理士としてPFAやSPR等の優れたガイドを基に、事故・災害時の心のケアに取り組むなど、臨床心理士として果たす役割について詳しい解説をいただきました。
「臨床心理士は、 精神医学・からだ・生活・法律など、幅広い知識が求められる」との山下様の言葉に、大学院生たちは熱心にメモを取りながら聴き入っていました。
3時限目に行われた特別講義では、ふくしま心のケアセンター基幹センター業務推進部長兼企画部長で保健師の渡部 育子様から『地域で支援する保健師の役割「被災者支援から学ぶ」』と題し、心理学部生約130名を対象にご講演をいただきました。
東日本大震災で多重の災害に見舞われた福島において、行政保健師として休むことなく避難住民の方の支援を行われたご経験を詳しくお話しいただきました。
「誰も経験したことの無い緊急事態においては、トップダウンで組織として動くことが大切。また、行政担当者など、避難住民を支援する方に対する心のケアも不可欠」という、緊急時の心構えや重要な施策について丁寧に解説いただきました。
受講した学生からは、「南海トラフ地震等の災害対応などに個人的に関心を持っています。今回、渡部先生のお話を伺って、被災地での大変な状況が鮮明にイメージでき、心のケアの重要性を強く感じました。」 などの感想が聞かれました。
本学心理学部・大学院心理科学研究科では、今後も心のケアに関する「実学」について学びを深める取り組みを推進してまいります。