7月5日(水)、生駒市図書館で、帝塚山大学・生駒市図書館共催公開講座を開催しました。
この講座は、本学と生駒市図書館が連携して開いている講座で、今年で29年目を迎えます。
今回は、本学の特別客員教授でもある興福寺の多川俊映貫首が「天平の文化空間の再構成」というタイトルで、現在、興福寺で再建が進められている中金堂について解説されました。
藤原不比等が710年に創建した興福寺の中心となる中金堂は、7度の焼失と6度の再建を繰り返し、1819年以降は仮金堂のみで本格的な再建はされないままでした。今回の再建は、天平回帰という考えのもと、創建当初の姿や規模を再現する、天平様式での復元を目指しています。金堂の柱に使用する樹齢数百年の大木は、国内での入手が難しかったため、遠くアフリカからケヤキを調達したと言います。
「来年10月の落慶のあかつきには、同じく天平様式で再建された五重塔と中金堂の間に天平の風が通る」という多川貫首の思い入れが伝わる解説に、受講者の方々は熱心に聴き入っておられました。
今回の講座は、約170人に受講いただきました。受講者の方からは、「天平という時代のロマンを感じられたことが嬉しかったです」をはじめとする、さまざまなご感想を頂きました。