帝塚山大学・生駒市・生駒商工会議所・生駒市観光協会が共催する「生駒市産学官連携プロジェクト」の連携9講座の6回目が10月2日(月)、生駒市テレワーク&インキュベーションセンター「イコマド」で開催されました。
今回は、帝塚山大学こころのケアセンター長で心理学部の神澤創教授が、「働く女性とこころの健康」をテーマに講演。受講者は、心理学の講義とともに太極拳をベースにした「ボディワーク」を楽しみました。
講義で、神澤教授はまず、女性が置かれているストレスが多い環境について言及。女性の社会進出は、男女雇用機会均等法以降、飛躍的に進んだにもかかわらず、依然として女性が家事や育児のほとんどを受け持たなくてはならない状況下にあること、また、女性には周産期や子育て期、更年期などに起こりがちな特有の症状があることを例に挙げ、女性をとりまく社会的・生理的環境を解説しながら、それらに起因する就労上の課題を指摘しました。
次に、厚生労働省が実施する患者調査のデータを示し、2014年にはうつ病を含む気分障害の総患者数が過去最多の約112万人を記録しただけでなく、女性の患者数が男性の約2倍にのぼることにも注目。うつ病は、女性にとっても「よくある病気」の一つになってきていると分析しました。だからこそ、「働く女性は自分の対処能力の限界を見極めることが大切」と語り、仕事とプライベートのバランスを取りつつ、ストレスとうまく付き合っていくことで心の健康を維持しようと呼びかけました。
「笑顔は心の健康に一番効果がある」と話す神澤教授。ユーモアを交えた神澤教授の軽妙な語り口に、教室は笑い声に包まれ、参加者同士でも活発に意見が交わされるなど、和気あいあいと講義は進みました。
講義後には、全員で「ボディワーク」を体験。神澤教授の指導を受けながら、参加者は筋肉や関節の緊張をほぐす運動に挑戦しました。
「心と体は分けられないため、体を動かすことによって心も元の健康な状態に戻る」。
その神澤教授の持論を、受講者は「ボディワーク」で十分に体感できたと見え、「心と体がつながっていることがよくわかった」と実感のこもった感想が聞かれました。また、「これからも運動して心の健康を保ちたい」と笑顔を見せる参加者もいるなど、今回の講座では皆が心身ともにリラックスできたようでした。