10月9日(金)、五條市役所(奈良県五條市)において「"TEZUcafe"(テヅカフェ)活動報告会」が開催されました。
「TEZUcafe」は、本学現代生活学部食物栄養学科の河合洋見教授(五條市観光大使、担当科目:臨床栄養、食事療法論)指導の下、管理栄養士を志望する学生が、メニューの開発から調理・接客にいたるまで全てを運営するという画期的な学生レストランです。
この日は、4年生18名で構成される一期生が、本プロジェクトの締めくくりとして、太田好紀五條市長、山田真一奈良国道事務所課長をはじめとする関係者の方々に対し、2月の現地視察から9月末の卒業式に至るまでの「TEZUcafe」での活動報告を行いました。
15時00分から開会した活動報告会には、五條市関係者、学生、本学関係者合わせて30名以上が出席し、本プロジェクトの総括にふさわしい、緊張感のある雰囲気の中、執り行われました。
はじめに、本学の勝美芳雄現代生活学部長からの主催者代表挨拶があり、次に来賓代表挨拶として太田好紀五條市長からご挨拶をいただきました。
次に、河合洋見教授からTEZUcafeの活動概要についての報告の後、学生たちが次の3グループに分かれて報告発表を行いました。
第1部:「レストラン運営の体験学習」
第2部:「TEZUcafe(テヅカフェ)運営および顧客情報に関する調査の実施」
第3部:「五條市を中心とした奈良県南部の地域振興支援」
プレゼンの最終確認をする学生たち |
学生によるプレゼンテーション(第1部) |
学生によるプレゼンテーション(第2部) | 学生によるプレゼンテーション(第3部) |
第1部の報告では、これまでの「TEZUcafe」の取り組みの振り返り、学内およびレストラン現地での試作回数および人数、営業日数や来客数、収支状況などが整理され、取り組み内容をふまえた考察では、大阪・奈良県北部から五條市大塔に通い、レストランを営業してきた学生たちならではの視点からの鋭い指摘と提案が見られました。
第2部の報告では、4月26日から9月23日までの36日間にTEZUcafeを利用したお客様に対して実施した583件ものアンケート結果を様々な角度から分析した詳細レポートが発表されました。
アンケート結果からは、初めて来られた方のうち、テレビやラジオなどのメディアやインターネットの情報、知人の口コミで来られた方が約3割に上るなど、 五條市ならびに本学の特色ある取り組みが多数のメディアに取り上げられたことを裏付ける内容となりました。
また、約4割の方がリピーターであることや、「また来たい」とアンケートに回答した方が8割近くに上るなど、学生によるレストラン運営のサービスについて評価をいただいていることが明らかになりました。
この調査により、課題も多く見つかったことから、今後のTEZUcafeの運営について、データに基づく建設的な提案がなされました。
第3部の報告では、学生たちがTEZUcafeの広報活動を通して得たデータと、レストラン運営の現場で得た知見を基に、今後の奈良県南部の振興について新たな取り組みの提案を行い、地方創生に取り組むことの重要性を、学生たち自身の言葉で説きました。
いずれの発表も、先日のTEZUcafe卒業式後、大学での後期授業が開講する中、就職先の内定式など多忙を極める学生たちが寝る間を惜しんでまとめ上げた優れた内容でした。
発表の後、質疑応答が行われ、太田市長からは「道の駅レストランの運営において、様々な効果と課題が明らかになった。次の世代にこの成果をバージョンアップしていただけるよう、引き続き取り組んでほしい。素晴らしい報告に感動した。」という激励の言葉をいただきました。
また、五條市の方から「メディアで取り上げられた効果は非常に大きく、五條市の特色ある取り組みとして定着していることを実感している。」というコメントをいただきました。
最後に、閉会のことばとして本学現代生活学部の藤原永年食物栄養学科長から閉会挨拶が行われました。
報告会の後、2月の開店準備からこれまで、学生の「TEZUcafe」の運営をさまざまな形でサポートしてくださった五條市の石田課長と井藤係長に花束と学生からの感謝の言葉をつづった寄せ書きが贈られました。
記念撮影では、4月のオープン時からひと回り成長を遂げた学生たちの笑顔が輝いていました。
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