5月30日(木)、本学出版会発行の『奈良山里の生活図誌』を天理市および天理市教育委員会に20冊寄贈しました。
同書は、天理市福住で生まれ育った永井氏が昔を回想して描いた明治末期から昭和30年代までの暮らしや年中行事などが解説原稿とともに収録されています。平成29年度私立大学研究ブランディング事業「『帝塚山プラットフォーム』の構築による学際的『奈良学』研究の推進」の成果として、民俗宗教を専門として福住の民俗調査に携わってきた本学文学部日本文化学科の高田照世教授が編集し、刊行されました。
天理市役所で行われた寄贈式に先駆けて、並河健天理市長、森継教育長と蓮花学長、高田教授、多賀事務局長が、本を広げながら天理の昔の暮らしについて懇談しました。
福住に住んでおられる並河市長は、以前天理市文化センターで開催された永井氏の絵の展示にも足を運ばれたそうで、「氷室神社の参道や階段は、今もこの絵のとおり。奈良の昔の伝統行事や風習を今に伝える貴重な資料なので、小中学校や図書館で活用させていただきたい」と感謝の意を示されました。高田教授は「子どもたちが奈良の昔の暮らしを学ぶのに役立てていただければ嬉しい」述べた後に「福住は、生駒からの伊勢道中での要所であったことが昔の文献から明らかになっている」などこれまでの研究や調査結果を披露。福住の物流や交通に話が広がるなど、場が大いに盛り上がりました。
寄贈式では、並河天理市長から感謝状を手渡された蓮花学長が「研究と教育で地域に貢献する「実学の帝塚山大学」として、天理市とは今後も良い関係を続けていきたい」と話し、市長と高田教授とともに本を手に記念撮影に応じました。