10月29日(火)生駒市図書会館市民ホールを会場に、帝塚山大学・生駒市図書館共催公開講座を開催しました。
今春、本学の特別客員教授に就任いただいた春日大社宮司 花山院弘匡(かさんのいん ひろただ)氏による「日本人のこころ」と題した講演に、約150人の方々が参加されました。
講演に先立ち、本学の飛世昭裕副学長から、「現代において、またこの奈良の地において非常に興味深い題目であり、改めてその叡智を享受したい」と挨拶がありました。
花山院宮司はまず、春日大社創建の歴史や神山として崇敬されてきた御蓋山(通称三笠山)、花山院家の祖先である藤原氏について説明され、その後、「古来より日本人の暮らしや祈りは自然とともにあり、人は自然に生かされている。」と語られました。
美しい自然に神が宿るという古くから日本人に根付いてきた観念の重要性を紐解き、「日本が豊かであるのは山々に囲まれた豊かな自然があるからこそ。自然を尊び、祈りを捧げてきた姿が日本文化の根底にはある」と。
また神仏習合が今でも私たちの暮らしの中に根付いていることにも触れ、日本の信仰は、八百万の神を尊ぶことに始まり、古来より多くの神様を崇め様々なものを受け入れてきた経緯から、日本人は寛容性があり、尊いものを崇め、平和的で優しい民族である、と語り、近年のグローバル化により物事はYESかNOか、白か黒か、成功か失敗かが世界基準となっており、長い間グレーを大切にして喧嘩両成敗の考えを持つ寛容で優しい日本人の良さが失われつつある。今こそもう一度日本の信仰というものを見つめ直したいと提唱されました。
参加者からは、「日本人のこころの大切なものが理解できた」「お話が分かりやすく参考になった」「改めて考えさせられた」「貴重な話が聞けた」など、多くのご意見が寄せられました。